十二支
子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・・・という十二支は、年や日や時間、方角と結びついて昔から私たちの生活に深い関係をもって使われてきました。
これは、大昔に中国で考えだされたものが、千二百年以上も昔に日本へ伝わってきたものだそうです。
それでは、たくさんの動物がいる中で、「ねずみ」「うし」「とら」「うさぎ」・・・などの十二のものがなぜ選ばれたのでしょう。その理由はどうもはっきりわからないというのが確かなようです。そこで、次のような昔話ができたと思われます。
「十二支のはじまり」
むかしむかし、山おくに住んでいる神様が、あと一日でお正月という十二月三十日の夜に全国の動物たちに手紙を出しました。「一月一日の朝、私の所へ早く来たものから十二番目に来たものまでを、毎年順番に動物の大将にしてやる。」
とにかく朝早く行けばどんな小さな動物でも、どんなに弱い動物でも大将にしてもらえるのです。動物たちはおおさわぎです。 しかし、すごくのんびりした「ねこ」がいて、手紙をまだ読んでいませんでした。あとで「ねずみ」から手紙のことを教えてもらいました。その時、いたずら者の「ねずみ」は、明日の朝集まるのを、あさっての朝集まるのだと、うそを教えました。三十一日の夜、あすにそなえて動物たちは、はやくから眠ることにしました。けれども、「うし」だけは、足がおそいので今夜のうちから出かけようと歩き始めました。これを見ていた「ねずみ」はわからないように、「うし」の背中にとび乗りました。
夜明けが近くなると、たくさんの動物たちがいっせいに起きて歩きだしました。たくさんの中で「いぬ」と「さる」が先を競っています。丸木橋を渡るときどちらも自分が先にわたろうとけんかになりました。
いよいよ正月の朝、家の前で待っている神様のところにやってきたのは「うし」です、しかし神様の前へ着くすぐ前に背中から飛び下りた「ねずみ」が一番になりました。三番は「とら」、四番は「うさぎ」、・・・・「さる」と「いぬ」は、間に合ったのですが、まだけんかを続けています。ついに十二番めの「い(いのしし)」まで決まりました。
その時、「ねずみ」にだまされて遅れてしまった「ねこ」がすごいけんまくで走ってきました。この時から、怒った「ねこ」は「ねずみ」をいつでも追いかけつづけているということです。
この解説が載っている箇所:慶雲社(向天方) 森の巻 p.118-119、共進社(乙丸) 北の巻 p.100-101、瑞雲社(円田) 南の巻 p.136-137
書き起こし・書き起こし(未校正)。文章は各箇所でほぼ同じ内容。細かな表記の違いは各屋台のページで確認できます。