屋台に刻まれた物語English

屋台をめぐる / 南(宮園)

神明社 宮代

神明社(宮代)の屋台
本のスキャン(仮) 屋台物語 南の巻 扉 p.125(1994年刊)

基本情報

読みしんめいしゃ(みやしろ)
落成年昭和52年10月
社名の由来宮代地区の氏神様「神明宮」からとって命名した。
工匠岩崎才一(森町飯田)(一部の文字は判読不能。彫刻取り付け……森下伸之(森町大門)か)
彫刻伊藤章晴(引佐郡三ケ日町)
塗装記載なし
車輪和田木工所(天竜市山東)
御廉の社名揮毫不明
備考建具:岩崎才一(森町飯田)。昭和52年10月この屋台が落成、この時から屋台の引き回しが始められた。平成4年に屋台前面の彫刻をつけ、平成5年には、欄間・支輪等の彫刻を付け加える。平成6年に脇障子・腰彫りを加えて完成。一宮地区の屋台中ではいちばん大きいというのがこの地区の人々の自慢である。

出典:屋台物語 南の巻 p.126

彫刻

大国主命(オオクニヌシノミコト) (左御簾脇)

オオクニヌシノミコトは、出雲大社の主祭神として、また、出雲神話の主人公として有名な神様です。神話の中で特に有名なのは、鰐鮫(わにざめ)に毛をむしり取られた白兎を助けた「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の話しでしょう。

また、別名をたくさん持っていることでも知られています。大穴牟遅命(オオナムチノミコト)・大己貴命(オオナムチノミコト)・葦原色許男神(アシワラシコオノカミ)・八千戈神(ヤチホコノカミ)・宇都志国玉神(ウツシクニタマノカミ)・大物主命(オオモノヌシノミコト)などです。「大国主」とは、大国を治める大王という意味、「大穴牟遅」「大己貴」は、大名(おおな)持ちで、功績が多く有名な、という意味、「葦原色許男」は、日本本土を治める強くて偉い人という意味、「八千戈」というのはたくさんの戈を持つことで武力の強いという意味、「宇都志国玉」とは、現国御魂(うつしくにみたま)で現在の国の守り神という意だといいます。

須佐之男命の子供、あるいは六世の孫とも七世の孫ともいわれ、大変な美男であり、女性関係も非常に多く、八上比売(やがみひめ)・須勢理比売(すせりひめ)・多紀理比売(たぎりひめ)など多くの女神との結婚をしています。したがって、生まれた子供も男女合わせて180人に余るといわれています。

国内平定・国土経営修理・天下巡行・農業や国土の保護・まじないや医薬の法の制定・医薬や温泉の神などとされています。その外にも交通安全・商売繁盛・厄除け開運、さらには、縁結び・安産子育てなどにまでご利益は広がっています。

「大国主命」といえば、その字の読み方が似ていることから、台所・竈(かまど)の神の「大黒様」と混じり合い、一つになって、いつのまにか七福神の一人として大きな袋をかつぎ、右手に打出の小槌を持ち米俵に乗っている姿の方がポピュラーなってしまったといえるでしょう。

出典:屋台物語 南の巻 p.127(書き起こし・書き起こし(未校正))

産土神(うぶすながみ) (右御簾脇)

「うぶ」には生む・出産、「すな」には土地という意味があり、合わせると、人の生まれた土地ということから、「産土神」は「生まれた土地の守り神」ということができます。

福島県のあたりでは、自分の家に祀る神を「ウジガミ(氏神)」、村の神様を「チンジュ(鎮守)」、自分の住んでいる地区の神様を「ウブスナ(産土)」と呼び分けているそうです。小さな地域集団が変遷・統合がなされていくうちにこれらの三つの神が混じりあって同じような意味で使われるようになったのではないかといわれています。

以上のことから、この図の神様は宮代地区を守ってくれる神様を表しているということになります。

出典:屋台物語 南の巻 p.128(書き起こし・書き起こし(未校正))

麒麟(きりん) (左欄間)

「きりん」と言っても、動物園にいる「きりん」ではありません。昔、中国で百年〜千年に一度、聖天子(あるいは聖人)が現われる前ぶれとしてこの世に現われるといわれた、想像上の動物のことです。形は鹿(あるいは「のろ」)に似て大きく、尾は牛、蹄は馬に似ていると言われ、頭には肉に包まれた角があります。

生草を踏まず、生きものは食べないといわれます。牡が「麒」牝が「麟」であるという説もあります。

特別、けたはずれのすぐれた能力をもった子供のことをさす「麒麟児」という言葉もあります。町内の子供達が立派な子供に育ってほしいという願いがこめられている図柄ということができるでしょう。

動物園にいる「ジラフ(キリン)」のことを、なぜ「麒麟」とよぶようになったのかはよくわかりません。

出典:屋台物語 南の巻 p.128-129(書き起こし・書き起こし(未校正))

竜/獅子 (右欄間・後欄間)

(キャプションのみ)

出典:屋台物語 南の巻 p.129(書き起こし・書き起こし(未校正))

支輪

脇障子(表)

脇障子(裏)

木鼻

腰長押