天の岩戸 (前欄間)
神様たちが住む高天原(タカマガハラ)は、天照大神(アマテラスオオミカミ)が田畑を開き、養蚕・織物などを授け、よく治めたために平和な毎日を送っていました。
しかし、弟の須佐之男命(スサノオノミコト)は暴れ者で、その乱暴は次第にひどくなり田畑を荒らしたり、水路をこわしたり、ついには織物をしている小屋に、火をつけたり、皮を剥いだ馬を投げ込んだりという事件を起こしました。
これを見たアマテラスオオミカミはたいへんに怒り、難を避け「天の岩戸」という洞窟の中に姿を隠し、堅くその戸を閉ざしてしまいました。
そのために天地はすべて真っ暗やみとなり、不幸や災害が続々と発生し出しました。
これは困ったと、神々はアマテラスオオミカミを岩戸から出すための方法を相談し、それを実行することになりました。
にわとりをどっさり集めて来て岩戸の前でひっきりなしに鳴かせました。岩戸の前へ樽を伏せ天宇受女命(アメノウズメノミコト)という女神が、かつらの蔓をたすきにかけ、かつらの葉を髪飾りにし、樽の上へ上がり踊り始めました。まるで気違いになったかのように足をとんとん踏み鳴らしながらくるくると踊り狂いました。そのうちに、ひもが解け裸になってしまいました、それでも踊りはやめません。その様子がいかにもおもしろかったので、何千人という神様たちは一度にどっと吹き出し、転がり回って笑いました。にわとりは声をそろえてコケコッコーと鳴き立てます。
アマテラスオオミカミは何事が起ったのかと、岩戸を細く開けて外をのぞきました。それを見たウズメノミコトは踊りながら「八咫(やた)の鏡」をその前に突き出しました。鏡に映った自分の顔を見たオオミカミは「誰だろう?」と岩戸をもう少し開けました。
その時、岩戸のそばで待ち構えていた手力男命(タヂカラオノミコト)という力持ちの神様が戸を引き開け、オオミカミの手をとっていきなり外へ引き出してしまいました。
そこで、世界中、やっと、夜が明け悪神は逃げ去り、明るい世の中になりました。スサノオノミコトは高天原から下界へと追い払われました。
本のスキャン(仮)p.51
天の岩戸(踊るウズメノミコトと岩戸を開けるタヂカラオノミコト) 調査中
出典:屋台物語 南の巻 p.51-52(書き起こし・書き起こし(未校正))