鳳凰(ほうおう) (右袖障子)
昔、中国で「麒麟(きりん)」・「亀」・「龍」とともに「四瑞」とか「四霊」と言われて尊ばれた想像上の瑞鳥(おめでたい鳥)のことです。「鳳凰」のそのスタイルは、前は麟、後は鹿、頸は蛇、尾は魚、背は亀、あごは燕、くちばしは鶏に似ていると言われ、きれいな五つの色に輝き、声は言うに言われぬいい声を出し、青桐の木に宿り、竹の実を食べ、きれいな泉の水を飲み、雄を「鳳」、雌を「凰」というとも言われています。
すぐれた知徳をそなえた天子が現われる兆として、この世に現われると伝えられるため、めでたい縁起のいい鳥とされているのです。
出典:屋台物語 北の巻 p.85(書き起こし・書き起こし(未校正))
波に麒麟(きりん) (左袖障子)
「きりん」と言っても、動物園にいる「きりん」ではありません。
昔、中国で百年〜千年に一度、聖天子(あるいは聖人)が現われる前ぶれとしてこの世に現われるといわれた、想像上の動物のことです。
形は鹿(あるいは「のろ」)に似て大きく、尾は牛、蹄は馬に似ていると言われ、頭には肉に包まれた角があります。
生草を踏まず、生きものは食べないといわれます。牡が「麒」牝が「麟」であるという説もあります。
特別、けたはずれのすぐれた能力をもった子供のことをさす「麒麟児」という言葉もあります。町内の子供達が立派な子供に育ってほしいという願いがこめられている図柄ということができるでしょう。
動物園にいる「ジラフ(キリン)」のことを、なぜ「麒麟」とよぶようになったのかはよくわかりません。
出典:屋台物語 北の巻 p.85-86(書き起こし・書き起こし(未校正))
費長房仙人(ひちょうぼうせんにん) (御簾脇、右)
後漢の時代(25〜220年)河南省汝南県のある町に「壺公」(ここう)という薬売りがやってきて、街頭で薬を売り始めました。
よく効くことと、安いこと、さらに薬を飲んだ後の病の変化や治る日数まで説明してくれ、すべてその言葉どおりになることで、商売は大繁盛、毎日たくさんの儲けがありました。しかし壺公は、儲けをすべて貧乏な人たちに分け与えてしまいます。
ある日、費長房が、高い建物の見張り台の上から壺公の様子を何気なく見ていました。すると商売を終えた壺公が、そっと薬の壺の中に飛び込むのを見てしまいました。
壺公が普通の人間ではないことに気づいた長房は、毎日、壺公の座る辺りの地面を掃除し、ご馳走を差し出すようにしました。壺公に無視されても無視されても、長房は毎日それを続けました。壺公は長房の誠実さを認めて「日が暮れ、誰もいなくなったらここへ来なさい。」と言いました。そこで、その通りやってくると、「私について来るように。」と言って壺公が壺に飛び込みました。長房も思い切って飛び込むと、そこには仙人の住む優雅な雰囲気の街が広がっていました。「私は仙人だ、このことは誰にも言ってはいけないぞ。」そう言われて長房は帰ってきました。
しばらくたって長房の家に壺公がやってきて言いました。
「お前は私についてきて、修業をする気はあるか。」「もちろんありますが、家族に知られずに出て行きたいのです。」「家族には、病気になったと言って、この竹をベッドにおいて出てきなさい。」言われたとおりにすると、家族は長房がベッドで死んでいるのを発見し、ていねいに埋葬しました。 いよいよ修業が始まりました。長房は虎の群れのなかに置き去りにされました。何匹も牙をむいて襲いかかろうとしますが、必死に堪えました。今度は、狭い石の部屋の中に閉じこめられました。天井には大きな石が縄で吊されています。今にも頭の上に落ちてきそうです。たくさんの蛇が現われ縄を噛み切ろうとします。この時も恐ろしさに耐える事が出来ました。次には、壺公が現われ「糞尿を食え」と命令しました。見ると、ひどい悪臭がして、しかも蛆もわいています。どうしてもこれだけは出来ませんでした。
「お前は、天界へ昇るのは無理だ、しかし地上の主(地上にだけ住む仙人)にはしてやろう。この護符(お守り札)を身につけていれば、いろいろな鬼神を自由に指図できるし、鬼神を呼び出し、病気をなおしたり、災いを鎮めることも出来る。」といって護符1巻を渡してくれました。 壺公に渡された杖に乗って長房は家に帰ってきました。みんなは、死んだはずの長房が帰ってきたのでびっくりし、恐れました。長房がいくら説明しても納得しません。
しかし棺桶を開けると青竹が出てきたのでやっと納得しました。暦で確かめると1年間も過ぎていたのです。
それから、長房は護符を使って人々の病をなおしたり妖怪を追い払ったり、とじこめておいた竜神を解き放して雨を降らせ、旱魃から人々を救ったりしたということです。
本のスキャン(仮)p.86費長房仙人(壺公と費長房) 調査中
御簾脇 右 解説 p.86-87
壺公の解説付き。文字は本のとおり「費長房」。AI要約txtは「黄長房/貴長房」と揺れていた
出典:屋台物語 北の巻 p.86-87(書き起こし・書き起こし(未校正))
鉄拐仙人(てっかいせんにん) (御簾脇、左)
隋の時代にいたといわれる仙人で、姓は李、名は洪水、鉄拐は小字。この仙人は、息を吐き出すとき、自分の魂も空中に吐き出すことができ、どんな遠い所でも思いのまま飛んで行くことができたと言います。
ある時、遠くにいる知人を訪ねる約束があったので、骸を残して、後のことを弟子に頼んで、魂だけで出かけていきました。ところが、帰ってくる約束の日をまちがえた弟子が、一日早く骸を焼いてしまいました。次の日、鉄拐の魂が帰ってきましたが入るべき身体がありません。そこで仕方なく、道端で飢死していた乞食の屍に乗りうつりました。それ以来、彼はびっこで、ボロを着た醜い乞食の姿で暮らしかなかったということです。
出典:屋台物語 北の巻 p.87(書き起こし・書き起こし(未校正))
天女 (正面欄間)
(キャプションのみ)
出典:屋台物語 北の巻 p.87(書き起こし・書き起こし(未校正))
獅子/注連縄と茶の花/腰長押 (左右欄間・前中央支輪)
(キャプションのみ)
出典:屋台物語 北の巻 p.88(書き起こし・書き起こし(未校正))